同時打鍵によるキー機能の切り替えの設定方法を解説します。キーボード配列面も参照してください。
基本構成
同時押しは、同時キーと同時押し
MODの組み合わせによって定義します。同時キーの操作を、同時押し
MODと同時に押されたかどうかで切り替えられます。
- 同時キーが単独で押された場合は、非シフト面の機能(文字)が出力されます。
- 同時キーが同時押し
MODと同時に押された場合は、シフト面の機能(文字)が出力されます。
判定は同時キーを離す瞬間に行われます。キー操作は「ほぼ同時」であれば良く、厳密にはどちらかが早く押されていても同時とみなされます (参考:[マニュアル] 同時押しのズレ)。
通常キー と 同時キー の違い
- 通常キー(キー,記号,かな など)は、押された瞬間に出力されます(機能によって 押す のみの場合と 押す+離す の場合があります)。
- 同時キーは、押された時点では機能(配列面)が確定しないため、押した瞬間には何も出力されません。
- 短時間で離した場合は、同時押しMOD が同時に押されていたかを判定し、非シフト面 または シフト面 の機能を出力します。
- 一定時間以上押されたままの場合は、その時点で同時押しMOD が同時に押されていたかを判定し、非シフト面 または シフト面 の機能のキーリピートを開始します。
同時キー と 同時押しMOD の違い
多数の同時キー同時キーの機能を、少数の同時押し
MODで切り替えることを想定しています。
NICOLA配列(親指シフト)で言えば、通常の文字キーは同時キー、左/右親指キーは同時押し
MODを使うことになります。
同時押しの組み合わせ | 同時キー | 同時押し MOD |
---|---|---|
同時キー | × | ○ |
同時押し MOD |
○ | ○ (やや複雑) |
同時キーと同時キーの同時押しには機能が割り当てられません。
同時押し
MODと同時押し
MODの同時押しには機能が割り当てられますが、設定方法はやや複雑です → 同時押しMOD同士 の ながら/同時打鍵
同時押しの設定例
以下のようになるように設定してみましょう。
- H, J, K を単独で押すと『い, ろ, は』
- H, J, K を 変換 と同時に押すと『が, ざ, だ』
- 変換 を単独で押すと『Enter』
配列面0(基本の配列面)
- H, J, Kキー:同時キー
(単独1)- 単独で押した時は(配列面の有効無効や優先順位に関係なく)配列面1を参照します。
- 同時押しMOD と同時に押したときは、別の配列面(同時押しMOD の設定次第)を参照します。
- 変換キー:同時押し
MOD 0- 「同時押しで配列面を切り替えるキー」に設定します。
配列面1(同時キー 単独打鍵時の配列面)
H, J, Kキーを単独で押した時は(配列面の有効無効や優先順位に関係なく)この配列面を参照します。それぞれ「い, ろ, は」を出力するように設定します*1なお、ここで[透過]に設定した場合は、何も出力されません。。
配列面2(同時押しMOD 0と同時押ししたときの配列面)
H, J, Kキーを変換キーと同時に押した場合は(配列面の有効無効や優先順位に関係なく)この配列面を参照します(参照されるように同時押しMODを設定します)。それぞれ「が, ざ, だ」を出力するように設定します*2なお、ここで[透過]に設定した場合は、何も出力されません。。
同時押しMODの設定
同時押し
MOD 0の動作を設定します。
- 同時キーを同時押し
MOD 0と同時押しした時の配列面は「2」 - 同時押し
MOD 0の単独打鍵の機能はEnter - 「連続シフト」「単独押しロールオーバー」「単独押しキーリピート」については後述
これで同時押しの設定完了です。
連続シフト
同時押し
MODを押している間に複数の同時キーを押した場合の動作を設定します。メリット・デメリットがあるので、詳細は連続シフトをご覧ください。
連続シフト | 動作 | キー配列例 |
---|---|---|
有効 | すべての同時キーにシフトがかかる | 飛鳥カナ配列 |
無効 | 最初の同時キーのみシフトがかかる | NICOLA |
単独押し ロールオーバー
同時押し
MODが単独押しされたかの動作を設定します。同時押し
MODを離す前に他のキーを押したり、他のキーを離す前に同時押し
MODを押し始めた(同時打鍵ではなかった)場合の処理が変わります。
ロールオーバー | 動作 |
---|---|
許容する | 判定が微妙でも単独押しを出力する 他のキーとのロールオーバーがあったとしても、同時押しでなければ「単独押し」を出力する。 [想定]単独押しに文字キーを割り当てる場合 [適用例]新下駄配列の S, D, K, L などのキー |
出力しない | 判定が微妙なら何も出力しない 完全に単独な場合のみ「単独押し」を出力し、他のキーとロールオーバーした打鍵は無視する。 [想定]単独押しに機能キーを割り当てる場合 [適用例]親指シフトの親指キーにSpaceやEnterなどを割り当て |
単独押しの動作は、利用するキー配列との親和性や好みがあります。迷ったら両方試してみてください。
単独押し キーリピート
同時押し
MODを単独で押し続けたときの動作を設定します。
キーリピート | 動作 |
---|---|
有効 | 押し続けると自動的に「単独押し」を出力する。 以後キーリピートする。 [想定]文字キー や Spaceキー など |
無効 | 一定時間以内に離した場合のみ「単独押し」が出力される。 長く押し続けて離した場合は何も出力しない。 [想定]IME ON/OFF など |
キーリピート有効で自動発行されるまでの時間、キーリピート無効で単独押しが出力される時間範囲は「全般」タブで設定できます。
注意点
出力に指定できないもの
同時キーの出力(単独押し・同時押し いずれも)、及び同時押し
MODの単独押しの出力として、ユーザーMODを使用することはできず、ユーザーMODが指定されている場合は無視されます。同時キー、同時押し
MODの出力としてマクロを指定する場合も、マクロ内に含まれるユーザーMODは無視されます。*3ユーザーMODが前置MODであれば、論理的には破綻せずに動作しますが、現在のところ同時押し系の出力処理対象にユーザーMODが含まれていないため、このような仕様になっています。
また、同時キーの出力(単独押し・同時押し いずれも)、及び同時押し
MODの単独押しの出力(マクロ展開含む)として、Sleepも使用できません。
注釈
1, 2. | ↑ | なお、ここで[透過]に設定した場合は、何も出力されません。 |
3. | ↑ | ユーザーMODが前置MODであれば、論理的には破綻せずに動作しますが、現在のところ同時押し系の出力処理対象にユーザーMODが含まれていないため、このような仕様になっています。 |